今日は人生で初めての海外旅行から帰国した日。興奮と疲労が入り混じった不思議な感覚で、少し現実感がない。今回の行き先は、ヨーロッパのフランス、パリ。幼いころから憧れていた場所で、エッフェル塔やルーブル美術館、セーヌ川を目の前で見る日がついに訪れた。
出発の朝、空港に着いた瞬間から非日常が始まった。国際線のターミナルは思った以上に広く、聞きなれない言語が飛び交っていた。搭乗手続きを済ませてからはワクワクが止まらなかったが、同時に海外という未知の場所への不安も少しあった。
飛行機の窓から雲の上を眺めていると、思ったよりも早く時が過ぎていき、12時間のフライトは驚くほど快適だった。到着後、空港を出てパリの街並みを初めて目にした瞬間、現実のものとは思えないほど美しい光景が広がっていた。歴史的な建物が立ち並び、石畳の道に風情があり、映画や写真で見てきた風景がそのまま広がっているのだ。
エッフェル塔に向かったのは旅の2日目だった。目にした瞬間、その壮大さに息をのんだ。写真で見たことがあるエッフェル塔よりもはるかに巨大で、鉄のアーチがまるで空を支えているようだった。夜になるとライトアップされ、さらに幻想的な雰囲気を醸し出していた。何時間でも見ていられる光景だった。
その翌日はルーブル美術館を訪れた。ここで本物のモナ・リザに出会えるとは、夢のようだった。思った以上に小さな絵で、ガラスのケースに守られ、多くの観光客がその前でカメラを構えていた。もちろん、私も写真を撮ったが、実際にはその場に立ち止まり、じっくりと見つめてみた。モナ・リザの微笑みは、どこか神秘的で、見れば見るほど引き込まれていく不思議な魅力があった。
また、セーヌ川沿いを散策するのもパリ旅行の楽しみの一つだった。川沿いにはカフェやレストランが並び、フランス特有のリラックスした雰囲気が漂っていた。そこで偶然見つけた小さなカフェに入り、クロワッサンとカフェオレを注文。フランスパンは本当においしく、カリカリとした食感とバターの香りが最高だった。あの瞬間こそ、パリに来た実感が最も強く感じられた。
もちろん、言葉の壁も感じる瞬間があった。英語は通じると思っていたけれど、実際には英語が通じない場面もいくつかあった。レストランの店員さんや地元の人との会話で、ジェスチャーや簡単なフランス語を交えながらなんとかコミュニケーションを取ったが、もっとフランス語を勉強しておけばよかったと思った瞬間もあった。それでも、地元の人々は親切で、笑顔で対応してくれたのが救いだった。
旅の最後の日には、フランスの郷土料理を味わいに、現地のレストランへ。フレンチはやはり見た目が美しく、味も繊細だった。特に楽しみにしていたエスカルゴは、ガーリックバターが効いていて驚くほどおいしかった。日本ではあまり食べる機会のない料理だが、これもまたパリでの特別な経験となった。
こうして振り返ると、5日間のパリ滞在はあっという間に過ぎ去ってしまった。初めての海外旅行ということで、何もかもが新鮮で、毎日が驚きと感動の連続だった。パリは、ただ美しい街並みだけではなく、歴史と文化、そしてそこに生きる人々の温かさが感じられる場所だった。日本に帰ってきた今でも、心の中でその瞬間が鮮やかに蘇る。次にどこへ行こうか、そんなことを考えると、また旅に出たくなってしまう。